出展作家さんへのインタビューリポート |
〈陶人形ふじいかずのり〉さん(三重県)
「ちょっと一服したら?」
そう声をかけられた気がして振り向くと、なんともゆる~い雰囲気のパンダがこちらを見ていました。
パンダの生みの親は、ふじいかずのりさん。
伊勢市に拠点を構え、動物をモチーフにした陶人形を制作されています。
型を使わず一つひとつ手びねりで作り出された生き物たちはそれぞれに表情を持ち、ポージングもチャーミング。
「手に取った人が微笑んでくれるような作品を」と話すふじいさん。
その言葉どおり、ふじいさんのブースを訪れる人たちは皆、顔をほころばせていました。
小さい頃から粘土あそびが好きだったというふじいさん。
高校時代は焼き物が盛んな岐阜で過ごし、授業で陶芸に触れたそうです。
陶人形を作り始めたのは大学生の時。
通っていた陶芸教室で、湯飲みやお皿などの器を作ることに飽きて動物を作るようになったのだとか。
「活動を始めて20年近く経ちますが、仕事というより子どもの粘土あそびが発展した感じ。
好きな形に作っていくのが楽しいです」
カエルやネコなどに交じって、ウミウシや深海生物のダイオウグソクムシというちょっと変わった生き物も。
釣りが好きなふじいさんは、海の生き物からインスピレーションを受けることも多いそう。
これからどんな動物が仲間入りするのでしょうね。
関西を中心に各地のクラフトイベントをまわり、旅先ではその土地の名物や温泉巡りも楽しまれているふじいさん。
ひめじアーティストフェスティバルには第1回目から参加されていて、
姫路出身のふじいさんにとっては帰省も兼ねた出展です。
「年々お客さんが増えてきました。『今年はこれを連れて帰ります』と毎回足を運んでくださる方もいて、励みになります」
そんな話をしていると、風のように現れてクロネコを手に取る一人の女性が。
「前のイベントの時はいなかったけど、今日はいるかなと思って。来てよかったです!」と、
ニコニコしながらクロネコを連れて帰られました。
ふじいさん、これからも心なごむ作品と癒やしを各地に届けてくださいね。