2025 出展作家さんへのインタビュー② |

会場のいちばん端で、子どもも大人も引き寄せられるように足を止めるブース。
遊び心たっぷりの絵柄がプリントされたTシャツや手ぬぐい、
版画グッズが並ぶ〈OBAKE PRESS〉(オバケプレス)です。
OBAKE PRESSは、あみりょうこさんとジェフさんによるプリントメイキングチーム。
姫路を拠点に、版画やシルクスクリーンの作品制作と、出店やワークショップをおこなっています。

お客さんにプリントメイキングの奥深さを熱弁するふたり。
思わず聞き入ってしまう熱い語りの原点は、メキシコでの版画体験にありました。

30代の大半をメキシコで過ごしたあみさん。まちには版画の工房がいくつもあり、
人々の暮らしに版画が文化として溶け込んでいる様子を目の当たりにしました。
「日本では版画が体験できる場って少ないですが、メキシコではみんな気軽に楽しんでいて驚きました」
版ひとつあればいろいろな素材に印刷できるシルクスクリーンを体験し、
自由に表現できるおもしろさに心をわしづかみにされたあみさん。
「日本でも広めたい!」と、「いろんな人からテクニックを仕入れて、
死ぬほど失敗しながら自分のやり方を見つけていきました」と語ります。

アメリカ出身のジェフさんも、メキシコを訪れた時に版画に触れ、地元で活版印刷を学んだそう。
そんなふたりが日本で出会って意気投合し、2020年にOBAKE PRESSを結成。
各地を巡ってプリントメイキングを気軽に楽しめる場を提供してきました。
「人との出会いも出店の醍醐味」と話すあみさんは姫路出身。
若い頃はそれほど魅力を感じなかった姫路というまち。
しかしメキシコから帰国後、印象がガラリと変わったそう。
「好きなことを仕事にしている友だちに会って、なんだかおもしろい人が増えてるなって感じたんです。
いろんな人と、お互いにできることを持ち寄って何かできたらいいなと思うようになりました」
昨年春、以前住んでいた岡山から姫路に引っ越して工房兼店舗を構えたことで、
まちづくりのイベントに出店したり版画会を開いたり、
近隣の飲食店とコラボイベントをしたりと、ますますアクティブに。

この日は「楽しみにして来ました」というお客さんも多く、
じわじわと知名度を上げつつあるOBAKE PRESS。
ワークショップコーナーからは、シルクスクリーンに挑戦する子どもの笑い声が。

ジェフさんの新作だというシルクスクリーン3色刷りのTシャツを購入した女性は、
「去年もここでTシャツを買ったんですよ。シュールなデザインが気に入って」と話してくれました。

「人の手が加わったものにはあたたかみがあります。デジタルな世の中だけど、
だからこそ、手を動かして作る楽しさを味わってほしい。わたしたちはその魅力を伝える媒介者になれたらいいなと思ってます」
作品もさることながら、おふたりの人柄が人を惹きつけるいちばんの魅力なのでしょうね。

